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手術の恐さと病院選びの困難さ

少し前に、美容外科の手術中に麻酔で患者さんが死亡するというニュースがありました。みなさんも記憶があるかもしれません。たしか、担当していた先生は外科出身ではなく内科の先生との報道でした。なんでももうかるから内科から美容整形に変わったとのことでした。せめて外科の専門教育を受けた先生なら事故は起きなかったかもしれません。
 同じようなことが歯科業界とくにインプラント手術でもよく起っています。
患者さんはインプラント手術をうける時、簡単な歯を治療するような感じでしょうか。それともお腹を切って内臓の手術をうけるくらいの大変な手術と感じるでしょうか。
 私は、インプラント手術もお腹を切る手術と同様に極めてたいへんな手術だと思っています。手術前には採血をし、全身に問題がないかどうか診察し、心電図もチェックし、麻酔も通常の歯科治療の麻酔のみか、あるいは静脈内麻酔も併用するかどうかなど綿密な計画をたてます。血圧が高い人は手術中どのように血圧をコントロールしようかなどです。
 ところが外科の専門教育をうけていない歯科医の人が安易にインプラント手術に取り組んだり、外科の基礎のない歯科医がインプラントの指導を行ったりと非常に危うい現状があります。インプラント手術後感染させ、敗血症で死亡させるなどの痛ましい事故も耳にします。
 ではどうしてこんなことが起きるとおもいますか。実は普通の歯科医は、外科の基本的な教育、経験をあまり受けていないという事実があります。例えば、手術に対応したハイレベルの機材の滅菌方法、高いレベルでの清潔なオペのやり方がわからない、静脈から採血できない、点滴ができない、やったことがない、患者さんの全身状態が十分に理解できない、入院患者さんの担当医の経験が皆無、心電図が読めない、採血後の検査結果についてわからない、静脈麻酔などの知識、経験が皆無など多数あります。
 私も大学を卒業してから、口腔外科の医局で、静脈注射の特訓(自分の右手で自分の左手の血管に針がはいるまで何度も特訓させられ)、その後入院患者さんへ抗癌剤、抗生剤の注射をやりました。また抗癌剤、注射薬剤、免疫療法、聴診、ガンの転移したリンパ節の触診法、ガン細胞の顕微鏡検査法、心電図、血液検査、CT,MRI撮影写真の分析など膨大なことを徹底的に勉強させられました。入院患者さんの手術(顎の骨折の手術、14時間以上にもおよぶ舌ガンの手術)など教授の助手をしながら勉強してきました。また私自身がはじめて執刀した上顎洞の手術(インプラントのサイナスリフトの基本となる手術)の時も、先輩の先生の厳しい指示、また言葉を発しなくても次ぎ次ぎと手術器具を適確に出してくれる有能な看護士によって助けられ勉強してきました。また当直時(口腔外科では入院患者さんの急変に備え、月に何回か当直がありました)夜中に、末期の上顎癌の患者さんが大量出血して上の先生と必死に止血しどうにか助けたことや、交通事故で緊急オペ(整形外科医、眼科医などがオペ、脳外科医がCT診断)中に下顎骨上顎骨骨折の診察のために医学部のオペ室に出向いたことなど、昨日のように鮮明に記憶しています。
 このような多彩な経験と教育がない状態で手術(インプラントも含め)をすると何人かに1人は思わぬ事故が当然おきることになります。また手術中に生じた突発的な事故に対応できなく、悲惨な結末を迎えます。いままで事故などおこしたことがないという先生もたまたまうまくいっただけの可能性もあり非常に危険です。
 ではたくさんの歯科医院から安全確実な手術(インプラントなど)をやってもらうための医院選びのポイントはなんでしょうか。

 1.一番大切なこととして、口腔外科を標榜している歯科医院にいくこと。これは電話帳などで絶対確認することだと思います。外科の専門教育をうけていない先生でも稀に出している(正直少し問題がありますが)ときもありますが、少なくとも外科に自信がないとたぶん出さないと思います。
 2.先生の履歴を調べること。口腔外科で勉強した履歴があるかどうか、またその期間はどれくらいか。しっかりとした経験のある先生の場合、たいていは院内あるいはホームページ等で公開しています。
 3.想定できるあらゆる事を包み隠さずていねいに説明してくれる医院などです。
4.私が患者の立場で経験したことですが、お医者さんでも割りと腕に自信がある先生は少しきびしい傾向にありました。しかしやさしい先生は腕も人間性も最高の場合か、どうも腕が悪いので愛想だけいい場合とに分れ、非常に判断に迷う時があり、一番危険でした。

以上を参考にして歯科でも医科でもよく考えて選択してください。
私は、歯科以外でも医療事故の責任の半分は患者さんにもあると思っています。多数ある医療機関のなかで1つだけ自分が選んだ責任があります。妻にもよくいいますが、先生の履歴、経験、人間性(信頼できる人か)、あと医療事故の噂等がないかどうかなど常に自分の命がかかっていると思って時間と努力を惜しまず、十分に調べてから真剣に医療機関を選ぶように話しています。
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tag : 口腔外科 専門教育

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