スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

エムドゲイン=エナメルマトリックスたんぱく

19年3月にNHKの教育テレビで歯周病について放送がありました。見た方も多いとおもいます。その放送でもとりあげられていたエムドゲイン=エナメルマトリックスたんぱくについてお話しましょう。
 近年体、組織の成長、細胞分裂に関わる因子(たんぱく質)の解析ならび合成、抽出が盛んに行われています。
 たとえば手術で多量の輸血が必要なとき、他人の血液を使うとどうしても感染のリスクがつきまとうために自家血液を確保して手術に使う方法があります。その際、エリスロポエチンという因子を投与することで血液の中にある赤血球を増加させることができます。増加させた状態で採血し手術のために貯蓄しておきます。これを手術中に使用するのです。余談ですが、このエリスロポエチンは、もともと尿中に微量にあることがわかっていたので多量の尿を集め抽出分析し、その後合成に成功し世間にでできました。
 また身長の延びが著しく不良な時に投与する成長ホルモンもはじめは合成できなかったため、非常に高価で手にはいらないものでした。なぜかというとこのホルモンは人の脳(下垂体)から抽出していたので大変貴重でした。その後遺伝子配列が分析され合成できるようになります。余談ですが、最近はアンチエイジングの薬として使うという考え方があるそうです。
 インプラントを移植するためには骨組織が必要です。また歯周病で破壊された歯槽骨をもとにもどす必要もあります。この骨を造成させるたんぱくが骨形成因子(BMP)です。これはもともと赤ちゃんが急激に大きく(骨がのびる)なる際に分泌されるもので、骨組織、歯の中の象牙質中に微量に含まれています。はじめこの因子は、牛の骨から抽出され研究されていました。私の研究では、牛の歯の象牙質から骨形成因子(BMP)を抽出し、骨造成の研究をおこなってきました。その後アメリカの研究者がBMPの遺伝子配列を解析し合成がおこなわれました。この因子は最終臨床試験段階でちかじか販売されると思います。
 エナメルマトリックスたんぱく=エムドゲインは、歯がどのような細胞が分裂してできるか研究していくなかで、歯根および歯周支持組織の形成にある種のエナメル基質たんぱくが関与していることがわかりました。これがエナメルマトリックスたんぱく=エムドゲイン=EMDで、無菌状態の幼若ブタの歯胚(歯になる細胞の塊)から抽出され臨床応用されています。
(かなざわ歯科医院でオペ中の写真です)
20070427192103.jpg
 エムドゲインは歯周治療できれいにされた根面に塗布され、その後周囲の未分化間葉系細胞を誘導し、歯槽骨、歯根膜線維の再形成を促します。(ちなみにこの未分化間葉系細胞にBMP(骨形成因子)を作用させると骨組織になります)詳しくは、その他いろいろな細胞の活性化などの働きがあることもわかっています。このエムドゲインは、まだ遺伝子解析合成がされていません。ですから無菌の幼若ブタの歯胚(歯になる細胞の塊)から抽出されています。このことがなんとなくひっかかる人も多いと思います。ところがブタさんは医科ではもっとかかわりが深く長い歴史がありました。たとえば糖尿病で、重症化するとインシュリンを注射します。このインシュリンは、もともとブタから抽出して長い間使われてきました。遺伝子工学で人インシュリンが合成された今でもブタ型インシュリンは使われ、症状によってはブタ型の方がより効くこともあるそうです。また心臓の中にある弁膜がだめに(歯周病菌が付着し炎症を起こすことも知られています。)なると人工弁を移植しますが、この人工弁がブタのものが使われています。いままでエナメルマトリックスたんぱく=エムドゲイン=EMDは世界中で使用されていますが、ブタによる重篤なアレルギー反応は報告が皆無とのことで一応は心配ないようです。
どうしてもひっかかる人でしたら、ePTFE膜(人工膜)をつかうGTR(歯周病再生療法)がいいと思います。
(実際の手術写真や図はもう少しおまちください。)
スポンサーサイト

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。