科学的検査結果に基づいた治療と歯大工治療
2008/05/11(Sun)
 むかし歯医者さんは歯大工と呼ばれていたと、依然私の母から聞かされました。なんでもやみくもに歯を削り、金属の歯をかぶせていたからだと聞きました。今は違うでしょうか?
 お医者さんは、まず患者さんから症状を聞き、全身を診察し、血液検査等を行い科学的検査結果に基づき病名を診断し、治療を開始します。治療後再度検査し、改善しているか確認します。ところが歯医者ではどうでしょうか。
 一般の歯医者さんも、まず患者さんから症状と聞き、口腔内を診察し、レントゲンを撮影し治療にかかります。ほんとうにこれだけでいいでしょうか?
 たとえば歯周病の原因は、
1.お口の中にある細菌(歯周病菌) 
2. 歯磨きの状態
3.喫煙の習慣の有無 
4.遺伝子レベルでの歯周病の感受性 
5.生活習慣 
6.歯並び噛み合わせのバランス 
7.糖尿病などの病気の有無、などです。
 お医者さんなら病気の原因を徹底的に調べてから治療にかかりますが、一般的な歯医者さんは2,3,5,6のみの検査で治療を開始してしまいます。一番重要なお口の中の歯周病菌の量、種類、採血による全身の状態を全く検査することなく治療に移行します。肝心な検査を飛ばし、治療に移行します。これでは重症患者さんの場合治療はうまくいきません。また仮に治療がうまくいっても、細菌の変化が確認できないとその後の再発につながります。
 このように今までの歯科治療は、医科では当たり前の原因菌の検査、採血による全身的検査なしでわずかな情報と経験だけで行ってきました。これでは重症の患者さんは完全に治ることがなく、患者さんが大変なことになります。
 ではどうしてこのようなことが起きてきたかというと、
1.現在は歯科大学は6年間勉強しその後の研修をおこないますが、むかしは4年間の勉強で歯科医になれました。つまり基本的な医学の知識が欠如していました。たとえばHbA1c(これは糖尿病の患者さんならいつの気にしている数字です)といってわからない歯科医がかなり多くいる現実。
2.採血など医科ではあたりまえの基本的な処置ができない歯科医が非常に多い。
3.大学でも歯をけずり金属をかぶせる補綴治療を優先して勉強させるため医学生が当たり前に身につけている、科学的な検査、診断のあとに総合的治療計画たててからの治療という習慣がとぼしい。
4.保険制度の制約で歯科でできる検査が非常に少ない。
5.国の考え方も歯科医はお口のなかだけ見れば良い(全身疾患からのお口の病気を見おとす原因になります)ということで、教育内容も歯科専門の技術偏重にあるといえます。
海外のように歯科を内科、外科のひとつと考え、医科大学を全員卒業後、再度歯科医になる人は歯科の勉強、内科医になる人は内科の勉強、外科医になる人は外科の勉強というシステムでは、歯大工という蔑称はうまれてこなかったと思います。
 かなざわ歯科医院では、どうして歯が痛くなったか、あるいは腫れてきたか、あるいは何度もむし歯になるのか、あるいはさし歯が脱離したのかを科学的に検査して因果関係をはっきりさせ、患者さんに説明理解してから治療をはじめます。
 
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